矯正治療と親知らず

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矯正治療と親知らず

2018年6月28日

皆様、こんにちは。ボストン矯正歯科の院長、長尾です。今日は職業を言うと必ず聞かれる、親しらずと矯正治療を交えてお伝えしようと思っております。よろしくお付き合いくださいませ。

親知らずがなぜ問題になるか?

日本人は顔が平坦な民族です。欧米人は顔というか頭というかの奥行きが深い人が多いです。奥行きが深いと歯の生えるスペースが遠くまである、すると親知らずもまっすぐ生えてくれて食べ物を食べる時、よりものを細かくしやすいです。

それに比べて日本人は平坦で奥行きが浅い人が多いです。もちろん何人でも一般的に歯の本数は親知らずを含めると32本です。最近、32本きれいに生えている日本人を見かけなくなりました。

では親知らずはどこにあるのでしょう?

どこに行ったのか?日本人の親知らず

最初からないラッキーな方も少なからずいらっしゃいます。どうしてない方がラッキーかというと、やはり親知らずはきちんと生えていても一番奥なので歯磨きしにくいです。虫歯になる可能性が高いといえます。また虫歯になるとあまりに奥なので治療がやりにくい、唾液が入ってきて接着剤などがつきにくい、また虫歯になる可能性がある、隣の歯も磨きづらくなるなど、そしてやはり抜歯を勧められたりする、などリスクが高いのです。

生えてない方は埋まっている可能性が高いです。

親知らずは第3大臼歯ですから大きな歯の3本目です。上のレントゲン写真ですと、3本残っています。Lと書いてあるのが左です。左の上に1本、これはたぶん生えるところがないので、頬側などに出っ張っていてほっぺたに当たっていると思われます。

下の親知らず2本は骨の中に埋まっています。横を向いて。これを水平埋伏智歯(すいへいまいふくちし)といいます。左側は深くて水平というより少し下向きなので、抜かないといけない場合はかなり大変だと思います。右側も隣の歯にぶつかっていて1本手前の歯と接しているところから、細菌が入り、そうして親知らずが腫れたという状態になります。

なぜ矯正医は親知らずを抜かせたがるのか?

矯正治療の後戻りというブログを読んで頂けるとわかりやすいのですが、矯正治療が終わってもしっかり取り外し式リテーナーをしていないと歯はもともとあった場所に戻りやすいです。そして特に動きやすいのが、下顎の前歯です。上のレントゲン写真の親知らずを見ると前の方向に生えたがっているように見えませんか?前の歯を押している可能性があるのです。すると前の歯を押す力が、一番根の小さい、下顎の前歯に影響を及ぼしガタガタになる、と矯正医は考えるのです。

しかし論文的には半々です。①親知らずを抜いたら下顎の前歯ががたがたしなくなった、というものと、②親知らずをすべて抜いても下顎の前歯にガタガタが発生した。①があるので横向いて生えていて、埋まっているような親知らずは抜いたほうがいいですよ、といいます。

このレントゲン写真はスタッフのものですが、これはなかなか抜くのが困難でしょう。その後お顔が1週間ほどおたふく風邪のように腫れるでしょう。しかし彼女も矯正(マウスピース治療)をしたいという希望ありで、左下を少しでも奥に移動できればいいなあ、と思ったので、抜かないと歯をぬいてワイヤー矯正になるかも、と話をし、大学歯科病院への紹介状を書いてあげました。

親知らずの話はまだまだありますので、また違う機会にかいしょうしてください。ていきたいと思います。

今日はワールドカップ日本最終戦ですね。勝つしかない!!!!がんばれ日本!

                                長尾紀代子

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