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矯正治療と顎関節症

こんにちは。ボストン矯正歯科のブログへようこそ。院長の長尾です。今週は地元名古屋で仕事があり戻っていたのですが、東京が台風の影響で涼しかった火曜日、水曜日、名古屋は半端ない暑さでした。車の外気温が43度を指していました。そして先週にはとうとう名古屋も40度越えの仲間入りもしましたし。。。熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

さて今日は矯正治療と顎関節症について少しお話をしたいと思います。

顎関節症とは?

顎関節症とは下顎と上顎がつながる部位に何らかの力がかかり、痛みが出たり、口を開ける時に音がしたり、口が1㎝くらいしか開かなくなってしまったり、様々な症状の総称のことを言います。

女性に多く、最近はストレスが原因で10代の方でも痛みを訴えられることがあります。しかし顎関節症の90%程度は顎の周りの筋肉の痛みが原因です。でもどうして筋肉が痛くなるのか?それは無意識のうちに歯を食いしばる、噛みしめる方が多くなっているからと考えられています。これはTCH(Tooth contact habits),日本語に訳すと噛みしめ癖とでもいうのでしょうか。お仕事でパソコンなど使ってらっしゃる時、ストレスがかかるような時に、無意識に食いしばっている状態をさします。

TCHの問題点

なぜ食いしばりがいけないのでしょうか?通常、人間が上の歯と下の歯がかみ合う時間というのは1日に20分から30分と言われています。短すぎる、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、歯は口を閉じている状態でも、安静位空隙というのが存在し上の歯と下の歯の間には3mm前後の空きがあるものなのです。

ぐっと噛みしめていると、歯の周りの歯ぐき、骨、歯根膜にも力がかかり、根っこの先端が吸収されて短くなることもあります。根っこの先端は何もしなくても先天的に短い方や、矯正治療などしなくても長い人生の中で1mm前後短くなるという報告もあります。

そしてTCHにはいい治療法がないのが現実です。私は患者さんにパソコンやテレビ、冷蔵庫などに「噛みしめない」と書いた付箋を貼って、ご自身で気づくようにしてくださいとおはなししています。

矯正治療と顎関節症

ボストンにいた頃に成長発育がある時期に矯正治療をし、咬み合わせをしっかりさせた子供は大人になってから有為に顎関節症の発症が少なくなる、また成人し成長がない大人が矯正治療をしても顎関節症との因果関係はわからない(よくなるかもしれないし、悪くなるかもしれない)という論文を読みました。もちろんすべての人に当てはまるわけではないと思いますが、確かに子供の時から診ていた患者さんには大人になって顎が痛いという方は少ない気がしますし、大人で矯正を始めると、途中で顎が痛いと仰り始める方が多い気がします。ですが90%が筋肉の痛み由来なので、痛みがある時は歯を移動させるのを少しお休みして、うすいマウスピースを就寝時に使って頂いたり、大きな口を開けないでもらったり、お風呂で温めてマッサージをしてもらったり、なるべく柔らかいものを召しあがってもらうようにすると、ほとんどの方が2週間から1ヵ月もしないうちに改善されていきました。それでも治らない患者さんは大学病院の口腔外科にご紹介するなどしています。

矯正治療は歯をダイナミックに動かして行きます。大人の患者さんはもう骨の形が出来上がってしまっていて、現在の歯並びで長年使ってこられたわけです。それを力をかけて動かせば痛くなる時もありますし、再発もないわけではありません。

また時々、歯並びと咬み合わせを治せば腰痛から肩こりから、頭痛までも治ると思っていらっしゃる患者さんがいらっしゃいます。それは無理です。腰痛にしろ、肩こりにしろ、頭痛にしろ原因は歯だけではないはずです。姿勢が悪かったり、ヘルニアだったり、風邪をひいていたり、と様々な原因があるのです。私は自分の歯並び、咬み合わせはほぼ完ぺきという自信がありますが、肩こりはひどいし、腰はヘルニア持ちだしと、私一人をとっても腰痛、肩こり、頭痛と完璧な咬み合わせが同体に存在します。

矯正治療をして美しい歯並びとしっかりとした咬み合わせで得られることはたくさんあります。ですが全てを治すことはできません。それもご理解頂いて、治療をスタートさせるかどうかを決めて頂けるとありがたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

                      長尾紀代子

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